センセイの好きなもの
煌成くんは笑顔で得意気に言った。
こんなに小さくても、ちゃんとママのお手伝いしてるんだ…。


「すごいね。お利口さんだね。ママ喜んでたでしょ?」


「うん。ママ、ありがとうって言ってくれたよ」


私の父親ってどんな人なのかな。
名前も顔も知らない。生きているのか死んでいるのかも分からない。
でも母は天然パーマじゃないし、顔もあまり似ていないと思う。
この髪も顔も父親に似ているんだろうか…。


「ツムちゃん、終わっちゃった」


煌成くんの声にハッとして画面を見ると、アニメが終わっていた。


「はーい、お待たせ。おやつも持ってきたわよ。ツムちゃんはココアね」

「おばちゃん、ありがとう」


煌成くんの満面の笑みにみち子さんは目尻を下げて、可愛い可愛いと言っている。
私もそろそろ里帰りでもしようかな…。
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