センセイの好きなもの
急にニヤニヤしちゃって、逆に怖い…。

巧先生の言っていることは、ここの仕事の延長みたいな想像しか出来なくて、それならお金をもらうような話じゃない気がしてしまう。
完璧な掃除が出来るわけじゃないし…。


「ここでやってることと変わらないじゃないですか。それなら時々手伝いに行きますよ…」



「ツムちゃーん!まだメシ間に合う?俺と吉川くんの分…」


その声に二人してドアのほうに顔を向けると、口をあんぐりと開けて、見てはいけないものを見てしまったと言わんばかりに立っている大先生がいた。

私に詰め寄っている巧先生と、のけ反っている私…。


「だっ、大先生!あのっ、これは誤解です!」


「親父、今ツムと大事な交渉してるんだからさー、ノックくらいしろよ!」


巧先生は大きなため息をついてソファに横になる。こんなところを見られるなんて…。
やましいことは何一つないけど、気まずい。
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