センセイの好きなもの
応接室にお茶を持って行ったとき、玉井先生はまるで品定めするかのように私を見てきた。
そして「巧ってこういう人がタイプだったの?私と正反対じゃない」と言い放った。
巧先生は何も言ってくれず、無機質な表情をしていた。
どうせ私はちんちくりんですよ。
背は小さいし、色気のいの字もないし、天パだし…。
今まで恋人が出来たこともない。
アプローチされたことはあるけど、私が施設育ちだと知ってあからさまに引かれたこともあるし、特にこの5年間は人と関わらないようにしてきた。
お茶を出して戻ってくると、私と吉川先生は大先生に手招きされた。
大先生のデスクに3人で隠れるようにしゃがみ込む。
「まず聞くけど、その…ツムちゃん、巧とは本当に…?」
「違いますっ!この前のこともですけど、本当に誤解なんです」
「何、この前のことって」