センセイの好きなもの
「何ですか?」


「腹減った。パンケーキ食いたい」


「はぁ?私、掃除があるんですけど」


私にはやることがいっぱいある。
まず床掃除、テーブルやデスクの拭き掃除だってあるし、今日のスケジュールだって確認しなくちゃいけない。



巧先生は視近距離まで近づいてくると、ニコッと笑顔でもう一度言う。


「ツム。腹減った!パンケーキ!」

「パン屋さんはもう開いてますよ。コンビニだってあるし、何か買ってきたらどうですか」


窓を開けると冷たい空気が入ってくる。
春になったとはいえ、まだ肌寒い。

巧先生は再び寝袋に潜り込んでしまった。


「巧先生、起きて!今日だっていっぱい仕事があるんですよ!」

「だってツムが…。俺の朝飯…パンケーキ…」


「女子かっ!」

巧先生はかっこいいのに、どこか女々しい。

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