センセイの好きなもの
「何ていうか、生き方の違いっていうか…。元々俺は事務所を継ぐつもりだったんだ。だってイチから事務所やるなんてスゲー金かかるんだぜ?親父がやってきた実績もあるんだし。だけど紗絵は独立する夢があった。それで別れたんだよ」
ツムは箸を持ったまま食事もせずに俺の話を聞いている。食べながら聞けばいいのに、ツムはいつだってこうなんだ。いいところでもあるんだけど。
「アイツと別れるときに言われたんだ。“大事なことをきちんと話さない男はこの先も同じ失敗をする。巧は結婚に向かない”って。結婚の話すらしてなかったんだぜ?頭にきてよ、それでツムのこと彼女だって嘘ついたんだ。迷惑かけて悪かったな」
ツムは俯いていて、何事かと思って見てみるとわずかに肩が震えている。
コイツもしかして…。
ツムの肩を掴んで顔を覗き込むと、必死に笑いをこらえていた。
「おいっ!ツム、何笑ってんだよ!」
ツムは箸を持ったまま食事もせずに俺の話を聞いている。食べながら聞けばいいのに、ツムはいつだってこうなんだ。いいところでもあるんだけど。
「アイツと別れるときに言われたんだ。“大事なことをきちんと話さない男はこの先も同じ失敗をする。巧は結婚に向かない”って。結婚の話すらしてなかったんだぜ?頭にきてよ、それでツムのこと彼女だって嘘ついたんだ。迷惑かけて悪かったな」
ツムは俯いていて、何事かと思って見てみるとわずかに肩が震えている。
コイツもしかして…。
ツムの肩を掴んで顔を覗き込むと、必死に笑いをこらえていた。
「おいっ!ツム、何笑ってんだよ!」