センセイの好きなもの



食事が終わってからはツムの内職を手伝うことにした。

今は100均で売られているゾウのジョウロ作りをしているようで、またダンボール箱が山積みになっている。

ジョウロ作りは尖っているところをチェックしてペンチで切る。
それから目玉シールを貼る。
単純な作業だけどコレがとんでもなく時間がかかる。
俺が不器用じゃないかって?器用なほうだけどツムが早すぎるんだ。


「ツムっ、何でそんなに早く作れるんだよ?俺まだ5個だぜ」


ツムは次から次へと進めて、ダンボールにポイポイ詰めている。


「慣れですよ。先生、ちゃんと真剣にやってくださいね。失敗したらお金にならないんですから」


「分かってるよ。真剣にやってるから遅いんだよ」


俺はツムと親父がどういう知り合いなのか知らない。ツムは事務所からの給料でちゃんと生活していけると言っていた。実際身なりもちゃんとしてるし、部屋の中だって物は少ないけど必要な物は揃ってるし…。
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