センセイの好きなもの
「えっと、背が高いでしょ。かっこいいでしょ。それから…私の料理を美味しいって食べてくれるところ!」


…ツム、それは本気か?
男は単純なんだからな。この歳になったってそういうことを言われると、自分に気があるのかも知れないとか思うんだからな。

ツムは得意気にコレならバレないでしょ?と笑っている。
コノヤロー。可愛いじゃねーか。



「ツム、最後の1つだけなら完璧だな。それなら本当に付き合ってる感じはする」


「先生は私のどこが好きか聞かれたらどうするんですか?」


ぐしゃぐしゃになった髪を直すこともなく、喋りながらも手は黙々と動いている。

ツムの好きなところか…。
料理の上手さは断トツだろ、あとは目が丸っこいところ、それから…やっぱアレだろ。


「何だと思う?」


「思いつきません」


ツムは作業する手を止めて考え込む。

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