極道一家のマヤ
「お、女の尻を蹴るな!!」
顔を真っ赤にしながら、全く迫力のない視線がこちらへと向けられる。
「てめえのどこが女だよブス。」
「ブ…!?」
普段のオレなら絶対に他人だろうが言わない罵倒。
…だって
こいつ、何か反応おもしれえし。
…って、おもしろがってる場合じゃない。
早く眠りてえ。
「つーかまじどっか行け。オレ、お前みたいな騒がしい女が一番キライ」
「な…!」
女をどかしたスペースにゴロンと横になる。
片目を開けて女を見上げると、肩がプルプルと震えていた。
頬を真っ赤にして…明らかに怒っている顔。