極道一家のマヤ
さっきは恐いくらいに無表情だったはずの顔が…今は笑っている。
初めて、言葉を交わしたときのように…
だけど…
「大事なオレの総長さんに…軽々しく近づかないでくれる?」
自分を見る、嫌悪と軽蔑の視線は…変わっていなかった。
「神名…」
ちがう…ちがうんだよ…
私が欲しいのは、「権力」じゃなくて…
「権力」を手に入れてこそ、手に入れられるモノ…
頭ではわかっているのに…
それを口に、言葉にすることができない。