極道一家のマヤ
マヤは…
ほんとにいい子だと思う。
散らばったペンを拾ってくれて、「大丈夫?」って声もかけてくれた。
学校で、そんなふうに自分に声をかけてくれる人は…
誰もいないから。
だから、普通のことなのかもしれないけど、マヤの優しさは素直に嬉しかった。
こんなにニヤついてたら、周りの人に気持ち悪いって思われちゃうかな…
廊下を歩きながら、思わず自分の頬を押さえたときだった。
―ドン
「きゃっ」