極道一家のマヤ



反射的に閉じた目を開け、顔を上げる。



同時に視界に映ったのは…



「嵐!」


嵐だった。



幼い頃からの…大切な幼なじみ。



チクリとした物言いとは裏腹に、キレイな顔がすぐ目の前にある。





嵐は腕を軽く引き、転びそうになっていた私の体をしっかりと立たせてくれた。



「ありがとう」


「ボケんのもいい加減にしとけ」


「なっ…、ボケてないよ!」



頭に触れる、温かい手。








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