極道一家のマヤ



「おいコラ」


「んぐ!」


「途中で話やめんなって。気になるじゃん」




急に黙ってしまった私の頬を、嵐がつまむ。


私はその手をつかんだ。




「ほんとに何でもない!」


頑として言い切る私に、嵐の目が微かに細められる。


「あっそ」


だがすぐに


「ふっ…」


口元に優しい笑みを浮かべた。


「なんかあったら、すぐ言えよ」


「うん…ありがとう」








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