極道一家のマヤ



桜は、ほんとにいい子だ。



杏奈もそうだけど、地味な見た目の私とも、普通に接してくれて…


その外見に比例するような、綺麗な心も持っていた。



だから、こんな瓶底メガネに膝丈スカートのダサくて地味な自分とも、友達になってくれた。



だけど、桜の口から私のことが美都場たちに漏れてしまうのも…


きっと時間の問題。




今のところ、桜とこうして一緒にいるところを美都場たちには見られていない。



幸運なことなんだろうけど、結局それは現実逃避に過ぎなかった。





そして、もう一つ…



美都場たちのこと以外に、気になることがあった。


それは…





「桜…」


「ん?」


「腕の痣…また増えてない?」


「あ…」









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