極道一家のマヤ
「謝れって言ってんの。聞こえなかった?」
まずは桜の髪をつかんだこの女から。
「あんたたちなんでしょ?桜の腕の痣の正体は」
お腹を押さえ…痛みと闘っている今のこの女に、私の質問に答える余裕はどうやらないらしい。
イライラする。
さっさと桜に謝れよ…
倒れ込んでいる女の髪を…
無理矢理つかみ、起き上がらせようとしたときだった。
「マヤ!!やめて!!」
「…」
伸ばしかけた私の手が…ピタリと止まる。
桜が…半泣きになりながら自分を見つめていた。