極道一家のマヤ
「マヤ、いい加減にして!!もういいの!!」
そんな桜の叫びは…私には届かない。
視界の隅で、桜が再び私を止めようとしているのが見えたけど…
言われた言葉の意味を処理する余裕はなかった。
今はただ、殺したくなるようなほどの目の前の女への衝動が大きすぎて…。
「私の事情で、マヤの手を汚したく……な……」
だけど、そのときだった。
え―・・
再び私を止めようしていたはずの桜の体が…
視界の隅で、ゆっくりと傾いていったのは…。
驚きで目を見開いたのは自分だけじゃない。
―ドサッ!
「きゃあ…!」
「倒れた!?」