極道一家のマヤ



「なんで…」



開いていた窓から、聞こえてきたという桜の悲鳴…


おそらく私がここへ来る前のものだろう。



そして、今の彼女の…


ボロボロの体、濡れた髪…


春野と美都場が状況を理解するのも、時間の問題。


頭の回転が早いだろう、彼らなら…きっと。




「桜をこんなふうにしたのは…」



頭上から聞こえた低い声に…私は顔を上げる。



「誰だ…?」



瞬間…






「…っ!!」



戦慄が走った。









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