極道一家のマヤ
美都場の手が私の胸ぐらをつかみ上げる。
「桜を傷つけるやつは…誰だろうと許さねえ」
美都場は…
私が社 真弥であることに、気付いているんだろうか…?
ひと時とはいえ、くだらない言い争いをしたこと、笑いかけてくれたこと
そして…
あのとき保健室で、必死に腕の傷を手当してくれたこと…
今の美都場に、その頃の面影はもうなくて…
きっと今の彼にとって、私は…
社 真弥ではなく、『桜を傷つけた下衆なヤツ』と認識されているのだろう。