極道一家のマヤ
最後の授業がチャイムと共に終わりを告げた。
といっても、ほとんど屋上でサボっていたが…
「…。」
玄関で靴を履きかえ、校門から出ようとしたときだった。
「あ、君!ちょうどいいとこに」
「…。」
「え、シカト?あんただよ、あんた。無駄にイケメンのあんた」
「…。」
はじめ、声の矛先が自分ではないと思っていたオレはやっと顔を上げた。
不機嫌に眉をしかめながら…
案の定、ひとりの女がこちらを見ている。