極道一家のマヤ



「あんた、誰」


知らない制服…


長い艶やかな黒髪をサイドに軽く流した…なんというか、ミステリアスな雰囲気の女。


もちろん会ったことなどない。


そこらの男子なら「美少女だ」とバカみたいに騒ぎ立てることだろう。


訝しげなオレの視線を受けながら、謎の女は口を開いた。




「ちょうどよかった。実は人を探しているんだけど…」


「人…?」


「そう」


「他あたれ。」


オレは女にクルリと背を向ける。


これから、未だ意識不明の桜のお見舞いに行くところだった。








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