極道一家のマヤ
杏奈の言葉に私は何も言えなかった。
家の事情を知られたことには、少し抵抗を感じるけど…
それで会ってくれることになったんだから文句は言えない。
「でもよかったじゃん!龍が人に会うとかめったにないことだよ」
「へ、へえ…」
杏奈が言うには、一条龍はかなりのイケメン。そして…
「龍さんって…怖い人なの?」
「まあ、目つき悪いし基本無口なヤツだからねー。慣れない人にはそう見えるかも」
き…
緊張する…。
「あはは、そんな固くなんなくても大丈夫だって!寡黙だけどいいヤツには変わりないし」
杏奈の幼なじみだから、いい人には変わりないんだろうけど…
それよりも、根本的な問題は…
「私…『龍』の仲間に入れてもらえるのかな…?」