極道一家のマヤ
「…。」
一条龍からゆっくりと視線を外し…私は目の前のブレスレットへと再び視線を向ける。
これを腕にはめれば…私は『龍』の一員。
きっと一度はめれば、簡単に外すことはできない。
『嵐』との関わりも…完全に断たれることになる。
私は覚悟を決めた。
ゆっくりと腕輪を手に取り……
「…。」
左手首にはめようとした……
そのときだった。
「やめろ!!」
―バッ!!
「え…!?」
突然…
「…っ!!」
腕輪をはめようとしていた手を…力強く抑えられる。
―ガシャーン…!!
同時に派手な音を立てて、持っていたものが地面に落下した。
私たちの間に、突如乱入してきた人物…
その人物を見た瞬間…
「みと、ば…」
私は固まった。