極道一家のマヤ
なんで―・・
目の前の状況に…頭がついていかない。
なんで、美都場が…ここにいんの?
私の手をつかみ…肩で息をしているのは、間違いなく美都場で。
意味がわからない。
だって私は、こいつに嫌われたんじゃ…
それなのに…
なぜ、どうして今、彼がここにいる…?
わからない。わからないけど、はっきりと言えるのは…
彼が今まさに、私が『龍』の仲間になろうとしたことを、妨害したということ…。
ザワザワと…私たちのただならぬ様子に騒がしくなる店内。
「美都場、くん…?」
明らかに戸惑った様子の杏奈に、それと…
「…」
言葉は発しないながらも、突然の乱入者に目を見開いている一条龍。
だが、突然…
「ふっ…」