極道一家のマヤ
私の手首をつかむ美都場と…
それを強い眼差しで射抜く一条。
この状況は…一体、何なんだろう?
「…帰るぞ。マヤ」
「へ!?」
突然…美都場はいきなりそんなことを言いだしたかと思いきや、私のつかんでいる手を力強く引いた。
か、帰るって…ええっ!?
意味わかんないし!!
なぜ、誤解とはいえ完全に敵視されているはずの美都場がこんなとこに現れたのか、それも謎だけど…
いきなりこいつが私をこの場から帰らせようとする…そっちのほうが私には理解できない!!
「ちょっと、美都場!?」
そう叫んでみるも、
「…。」
美都場は何も言わない。
戸惑いながらも、手を引かれるままガタッと席から立ち上がったときだった。
―ガシ!