極道一家のマヤ
それでもいるかもしれない、そんな可能性が少しでもあるならと…オレは真っ先に学校を目指した。
だがやはり、あいつの下駄箱に靴は残っていなくて…
ダメ元だとわかっていたはずなのに、オレは拳を壁に叩きつけた。
そして今…あいつの学校帰りに行きそうな場所など思い当たるはずもなく、ただひたすらにあいつを探している。
オレは…
一体なにをしてるんだ…
不意に足を止める。
膝に手をつき、肩で息をしながら…頬から汗がゆっくりと流れ落ちていくのを感じた。
バカだ…
こんなふうに無我夢中で走っていたって…あいつを見つけ出せるはずがない。
帰宅部の完全下校が始まって軽く2時間…。マヤはとっくに家に帰った可能性もある。当然だが、オレはあいつの住所を知らない。
けど…
たとえ無理だとわかっていても、バカだとわかっていても…
今すぐに、マヤと会わなきゃいけないような気がした。