極道一家のマヤ
心臓のあたりが一瞬にしてざわつく。
マヤを探し出せたことは確かに幸運だった。けど…なんで関わりなんてあるはずのない、あいつとマヤが一緒にいる…?
マヤの隣には、よく一緒にいるのを見かける派手な感じの女。
…確か同じクラスだよな?顔はうろ覚えながらも何とか思い出せるが、名前が思い出せない。つうか知らねえ。
ここからは数メートル先の…ありえない光景に呆然としていたときだった。
「な…っ!」
ふたりは何事か話していたかと思いきや…突然龍が、マヤに向かって何かを放り投げた。
ここからじゃ、その姿、形は当然わからない。だが、キラリと一瞬光ったそれが何なのか…オレにはすぐにわかる。
龍がマヤに向かって投げたのは…間違いない。『龍』のメンバーのみが付けることを許された…あの腕輪だ。
オレは瞬時に把握する。