極道一家のマヤ
龍が…オレがつかむ、反対側のマヤの手をつかんだのだ。
「龍…その手を離せ」
「…なんのつもりだ、お前」
凄まじい眼光を目に宿しながら睨むオレを、龍も負けじと睨み返してくる。
…勝手なことはわかっていた。
マヤが龍とこうして会っているのは…こいつを拒み、挙句の果てには信じることもしてやれなかったオレのせい。
マヤが新しい道に進もうとしているのを…オレが止める権利なんてない。
けど…
「こいつは…お前にはわたさない」
今なら…はっきりと言える。
マヤは…誰にもわたさねえ。