極道一家のマヤ
「マヤ…ごめんな」
「え…?」
オレの言葉に、マヤの目が軽く見開かれる。
「桜が、今日…っつーか、2時間くらいに病院でを目を覚ました。それで、桜が言ってたのを、斗真から聞いたんだ」
「桜が…」
「ああ」
マヤの顔に…一瞬で笑顔が咲く。
「よかっ…た…」
心の底から安心したような、今にも泣き出しそうな顔。
それを見て改めて思う。やはり桜をいじめていたのは…マヤではなかったんだと。
どうしてオレはあのとき、この女を信じてやることができなかったのか…
マヤに向けて、微かに笑いかけたときだった。
「…ふざけんじゃねえぞ。嵐」