極道一家のマヤ
目の前で…穏やかな笑みを浮かべる美都場。
それを見た瞬間、
―ドキッ…
心臓がバカみたいに跳ね上がった。
ダメだよ、美都場…
そんなふうに、優しく笑われたら…
私、期待しちゃうから…
『嵐』の仲間に、入れてもらえるんじゃないかって…
だけど、今は何よりも…桜が意識を取り戻してくれたことが嬉しかった。
「体の具合は、もう大丈夫なの?
「退院はまだ無理らしいけど…体のケガ自体は、順調に回復しているらしい」
「ほんとに?」
思わずそう、聞き返そうとしたときだった…。
「…ふざけんじゃねえぞ。嵐」
背後から突然…
ドスのきいた、低い声が聞こえてきたのは…。