極道一家のマヤ
「…っ!」
思わず振り返ると同時に、私は息を呑む。
一条龍が私を…いや、私の背後にいる美都場を鋭い視線で睨みつけていたのだ。
いきなりの美都場の乱入、そして桜が意識を取り戻したと聞いて嬉しくなって…すっかり今の自分の状況を忘れていた。
そういえば…
なんで私、このふたりの間に挟まれているんだろう…?
「お前は…一度、この女を突き放したはずだ」
背後にいる美都場へと…一条龍がゆっくりと口を開く。
「なのに今更、どの面さげてここにいる?」
普通の人間なら、思わず発狂でもしたくなるほどの威圧感。
こ…怖い…