極道一家のマヤ
そこに立っていたのは…
「あ…」
「…よう」
同じ学校の制服を着た…眠そうな目でこちらを見下ろす美都場だった。
「な…なんで、美都場が…」
見慣れないようで見慣れた、秋の変わり目のシケた景色が一瞬で華やかに変わる。
目の前のこの人は、ただけだるそうに立っているだけなんだけど…
他の女の子なら目をハートにでもしているところだろうが、生憎私には驚きと戸惑いしかない。
「なんで、って…
昨日お前んとこの住所聞いたろが」
え…
いや、まあ確かに、昨日…
『マヤ。お前どこ住んでんだ?住所教えろ』
『え…急になに…?』
『いいから教えろ(ゴゴゴ…)←ただならぬ殺気』
とかいうもんだから、ここのアパートの住所を教えたんだっけ…