極道一家のマヤ
「み、美都場の家って、この辺なの…?」
「…関係ないだろ」
スタスタと歩いて行く美都場。
「あ、ちょっと!待ってよ!」
もしかして…私がアパートから出てくるまで、ずっと待っていたんだろうか…?
たかが私と学校行くために?こんな肌寒い季節に…
昨日、いきなり住所を聞いてきたのはこのため?
あれ。でもなんで一緒に学校行く必要があるんだろ?
「『朝お前の家まで迎えにいく』ってメールも送ったんだけど…もしかして見てないのか?」
ええっ!?
あわてて携帯を取り出し確認してみると…
「あ…」
「…。」
確かにメールがひとつ届いている。20分ほど前に…差出人は「美都場 嵐」。
住所を教えた流れで、メールアドレスと携帯の番号もこいつに教えたんだ…そういえば。
なんか…展開がおかしな方へとそれていっている。
ついこの間まで、『嵐』からも美都場からも疎外されていたはずだったのに…
連絡先まで交換し合ってるなんて…