極道一家のマヤ
よかった……
今朝方のことは、あまり怒っていないみたいで安心した。
ほっと胸をなでおろしつつも、私は口を開く。
「それで……どうしたの?」
『ああ……』
わざわざ電話をしてきた要件とやらを……一条龍は語り出したのだった。
『実は、お前のことを『龍』の仲間全員に報告したんだが……妙なことを言ったヤツがいてな』
「え……?」
妙な……こと?
『社真弥……その女の名前を、どっかで聞いたことがあるって』