極道一家のマヤ



美都場くんもホームルーム終了直後、慌ててマヤの後を追ってきたというところだろう。


一足、私の方が早かったけど……


さっきのできごとを、事細かに話そうとしたときだった。





―ブー、ブー……





手の中の携帯が振動する。


画面を見てみると着信で、相手はついさきほど電話をしようとしていた……龍だった。


とりあえずと、私は通話ボタンを押す。


龍にも、さっきのことは話さなきゃいけないし……


だけど携帯を耳に当てた瞬間、聞こえてきたのは息を乱した龍の声だった。




『杏奈!!』


「わっ、な、なに?」


普段、こんな荒げた彼の声は聞かないから驚いてしまう。


『マヤは、マヤは今一緒にいんのか!?』


「え、なんで?」


『マヤを探し回っていたっていう連中がわかった』





< 526 / 581 >

この作品をシェア

pagetop