極道一家のマヤ
「な、なんだてめえら!?」
死角から突然姿を見せた私たちに、川崎組の門番が大きな声を出して叫ぶ。
「抗争だー!!」
「急いで中の奴らと組長に知らせろ!!」
その言葉を聞き、屋敷の中に走り出そうとしたひとりの頭を・・・
「ぐわあっ!」
私は思い切り殴った。
透哉以外の社家の部下、何人かが驚いてこちらを見ていたけど、もうそんな余裕はない。
川崎組が知らせるまでもなく、屋敷の中からゾロゾロと人が這い出てくる。
手には鉄の棒のようなものを握り締めて・・・
「お前ら社家のもんか!?」
私たちに敵意丸出しの視線を向けていた。