極道一家のマヤ
のどが痛くて言葉が出ない。
代わりに思い切り睨んでやると、そんな私をおもしろがるように川崎は口を開いた。
「これの、お前の頭を殴った部分には・・・ある毒を塗ってあってね」
毒・・・?
「触れれば体の四肢自由が利かなくなる薬。ちゃんと効いてくれてよかったよ。君たち以外にも潰しておきたい組は山ほどあってね、それで君には実験台になってもらった」
この悪魔は・・・私たち以外の人も傷つけようといているの?
「ゆる・・・さ、ない・・・」
目の前の顔を、殴りたくて殴りたくて仕方ない。
だけど、そんな私の考えとは裏腹に、体の痺れはどんどん増していき・・・
「さて、どうしようか?」
気付くと、川崎が間近で私の顔を覗き込んでくる。