極道一家のマヤ
遠くから明らかに押し寄せて来る・・・・・・
数え切れないくらいの、バイクの波。
「暴走族だ・・・暴走族だ!!」
「こっちの屋敷に向かってきてるぞ!!」
この部屋から少し離れたところで、川崎組か社家かもわからない、そんな部下たちの声が聞こえる。
ものすごい数・・・。2百・・・いや、3百は軽く超えている。
一体、なにが起ころうとしているの・・・?
「なんで連結した暴走族が・・・・・・川崎組に向かってきている?」
ぼそりとつぶやいた川崎の言葉にハッとする。
私は渾身の力でしびれる体を動かし、大きく放たれたその部屋の窓へと近づいた。
バイクの色・・・
青に・・・そして赤・・・
間違いなかった。
2種類のバイク・・・
ふたつの暴走族が連結し混じり合って・・・この屋敷へと向かってきているのだ。