Last love〜君と最後の時〜



「…あ、ごめ…」



目を逸らしながらそう言った春斗。



私、何かしちゃったかな…?


ベタベタ触ってほしくなかったのかな…?


それとも、風邪をうつしちゃったことで怒ってるの…?



色々考えても、答えはなかなか出てこなかった。


だから、目に涙が溜まりそうになってしまった。


でも、それを春斗に気が付かれないように、上手く平常を装った。





「ごめんね…
ベタベタ触って、私のことウザいと思った…?」



「…違うよ」



「じゃあ、なんでそんなに怒ってるの…?」





幼なじみで、小さい頃から知り合いだから、お互いのことはよくわかる。


だけど、それでもわからないことはたくさんある。


私が鈍感なのもあると思うけれど、私たちは別の人間だから。



お互いの心の中は見えないし、気持ちを読み取ることもできない。



だから、ちゃんと言葉で伝えてほしい。



春斗がどうしてそんなに怒ってるのか…バカな私にはちっともわからないよ。




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