Last love〜君と最後の時〜




黙りこんでしまった私を見て、春斗は小さな声で言った。



「別に…怒ってるわけじゃないよ…」


「え…?」

「…ただ、調子狂っただけ」




調子狂った?



「だから!!

里桜がなんか可愛いって思えたから…

だから調子狂ったんだよ…」



え…可愛い?


そっぽを向く春斗を私はジーッと見る。


最後のほう、聞き間違いじゃないよね…?



自然と頬が緩むのがわかる。



「あ、ありがと…」


「…ん」



お互い、黙ってしまい、そこからは何も話さなくなった私達。



この雰囲気、なんだか付き合いたてのカップルみたい。


私たちは付き合って半年以上経つし、しかも幼なじみで昔からの知り合いだから、こんなくすぐったい雰囲気は慣れない。


いつも、なんていうか…あんまり照れるような恋人らしいムードはなかったのに。




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