【短編】あなたの腕
「何かあるんですか?」


初めてだった。

私に興味を持っているかのような言葉をあなたから聞くのは。


嬉しくて嬉しくて。

胸の奥がキュゥッてなったんだ。


「友達の結婚式の二次会があるの。」


やっと出た声でそう言って、

「お疲れさま。」

を付け加えて会社を出た。


もう少し気の利いたことを言えれば良かった。
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