恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
プロポーズ
翌週の水曜日、外出から帰ってきた私を越谷さんがつかまえた。
「上杉、コーヒー買いに行かない?」
なんとなくその言い回しで、オフィスでしづらい話があると察せられた。
私は頷く。
「行きます。そこのコンビニでいいですか?」
会社の外に出ると、徒歩2分のコンビニに向かう私たち。
越谷さんは辺りを見回し、うちの社員がいないことを確認してから口を開いた。
「上杉、伊川に転勤の話が出てる」
「え?そうなんですか?」
私は少なからず驚き、越谷さんを見上げる。
「相模課長情報だから、ほぼ間違いないよ」
そうなんだ。
しかし、寛も私も総合職。
地方勤務有りの営業職だ。
新人からたまたま本社にいただけで、いつ地方に辞令が出たっておかしくはない。