恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
寛は再び頷いた。
きっと、私の恋心くらいなら伝わっていたはずだ。
だから、寛は私を抱いた。


「たぶん、ずっと好きだった」


「うん」


「だけど、寛との親友関係が幸せだった。ずっと、その頃に戻りたいと思ってた。その想いが強すぎて、寛の気持ちを無視し続けてきた。ごめんなさい」


私は頭を下げた。
私が固執した『親友関係』。


「私が寛との恋愛を拒否してまで守りたかったのは『逃げ場』なの。何があっても受け入れてもらえる親友っていう『避難場所』」


「親友が避難場所?」
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