恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
そんな幸福を、私が私自身のためだけに守ろうとしてきた。
これこそが、私の罪悪。

人の痛みをわからず、どうして、偉そうに寛の親友だと胸を張れていたのだろう。


「寛、ごめん」


私は再び頭を下げた。
涙がアスファルトにぽたぽたと落ちた。


「本当にごめんなさい。私はあんたに好いてもらう資格なんかない。最初から全然ない」


「琴………」


「今日は謝りたくて連れ出した。ごめんなさい。寛の気持ちを踏みにじり続けた」


寛が何か言いかけて、やめた。

それから、少しの間、私たちは無言で向かい合っていた。
私は自戒の涙が止められず、寛は宙を仰ぎ、夜空を眺めていた。
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