恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
事故
「寛、あんた重っ!」
タクシーから降り、私は自分のマンションに寛を運び込もうと苦心していた。
結局寛はベロベロに酔いつぶれてしまい、送ることにしたのだけれど、本人が頑として自宅には帰らないと言った。
未衣奈が来てると気分悪いからって。
気持ちは痛いほどわかったので、やむなく、私は自室に寛を連れ帰ることにしたのだ。
寛は歩けるだけマシとはいえ、私の肩に半分以上の体重を預けているので、私はろくろく進めない。
「もうちょっとシャンとして!」
私が怒ると寛がぴしっと気を付けをし、敬礼した。
完全な酔っぱらいだ。