恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「じゃあさ、俺が会社辞めて、ニートになったら、未衣奈は俺とは結婚しないってことだな。
時々会ってセックスするくらいの関係に留めとくんだろ?」


安田がぐっと詰まった。
安田の論理だとそうなるのだ。

寛のスペックと結婚したい安田の考は、打算的で、でも女なら誰しも考えないわけじゃない。


「今時、愛がなきゃ結婚できないなんて言うのは、幼稚かもしれないけど。
それでも愛情ってスタートを間違ったら、誰かと一生を誓うなんて出来ない気がする。
……俺は未衣奈とは価値観が違う。やっぱり別れよう。別々にやり直そう」


寛が言いきり、わぁっと安田の泣き声が聞こえた。


「やだよ!寛ちゃん!もううちの両親に挨拶したじゃん!結納だって再来週なんだよ!?お父さんもお母さんも悲しむよ!ひどいとは思わないの?」


「悪いけど、自業自得のひとつだと思う」


「寛ちゃんの両親は!?私のこと気に入ってくれたじゃん!がっかりするよ!」

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