恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
4章
常識非常識
「おつかれー!!」
7人は大声を張り上げ、乾杯をした。
私たちチームの仕事が終わった今日、打ち上げは行き着けの赤提灯で執り行われた。
私たち6人と一課の相模(さがみ)課長。
店主のおじちゃんは、狭い店だからとこの人数なのに貸しきりにしてくれた。
寛と二人で来なくなったこの店。
こうして、またここの味噌煮込みを食べられるのは嬉しい。
私はこの店の雰囲気が大好きだ。
「よくやったぞー!おまえたち!」
課長が、ぐりぐりと私たち全員の頭を撫でる。
「全員にチューしてやりたいくらいだ!」
「課長、セクハラ禁止です」
越谷さんが言うと、あまりにらしくてみんな笑った。
「ほら、伊川、おまえのチームなんだから仕切れ。なんか挨拶しろ」
課長につつかれて、寛が苦笑いをする。