恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
信じられない。


と言いたげな、わかりやすい顔をしている。


「じゃ、私と越谷さんの前途にも乾杯してくださいよー」


私は無視して、全員に乾杯を求めた。






「俺、知らなかったけど」


打ち上げが終わり、駅まで歩く短い間、寛が話しかけてきた。


「異動?私も今日聞いたばっかだし」


「それでも、俺に教えてくれるタイミングくらいあっただろ?」


「なんで、あんたに優先で報告すんのよ」


私は苦笑した。
寛が不満げな顔をしている。しかし、それ以上は言ってこない。

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