恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「フロアが変わるから、あんまし会わなくなるね」


「時々、メシ誘いに行くから」


寛はわかってない。
この前、きちんと話したばかりなのに。


「他にもメンバーがいるなら行く」


「なんで、俺はおまえにまで振られたみたいになってんだよ」


「そういうんじゃない。この前、話した通り」


寛は本当にわかっていない。






帰り道、ひとり考えた。

頭に残るのは安田の言葉。


『あんたたちの関係はずるい!!』



私と寛が育んできた友情と信頼。
これは、一般的にはおかしなことなのかもしれない。


私だって男女の友情なんか、寛と会うまで信じていなかった。そういった人間が大多数を占めるなら、私たちは異端だ。

いかに、私たちが「清廉なる崇高な友情」を振りかざしても、「イチャついてるだけじゃん」になるのかもしれない。

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