恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
でも、私は理由を述べてから、離れることを提案したのに。

寛の無神経さに腹が立つ。


「やまがた屋だけど、いい?」


「あ、俺もあそこ好きです。味噌だれチキンカツ定食知ってます?」


「あれ、数量限定でしょ。僕、まだ食べれてないんだよね」


「12時15分、並んだとしてもぎりぎりイケるかもしれませんよ」


前を歩く二人を見つめ、今更行かないとは言えない私は渋々ついていく。

三人ランチはもっぱら、越谷さんと寛が和気藹々と話し、私は適度に相槌を打つ程度で済ませた。
寛も越谷さんも目当ての定食にありつけたせいか、この一時はムードよく終わったのだった。


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