恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
第三営業部のフロアでエレベーターを降りると、何故か寛も一緒に降りる。


「資料室にもう一回行く用事があるんで」


「そうなんだ。じゃ、僕はお手洗い寄って戻るよ。また」


越谷さんが行ってしまう。

慌てて、ひとり第三営業部に戻ろうとする私を、寛がつかまえた。

正確には、行く手を遮るように立ちはだかったのだ。


「寛、どいて」


「わかりやすく避けるのやめろよ」


「避けてるんじゃなくて、適切な距離を置いてるの。理由は説明した」


「今は俺はフリーだから、気を使う相手なんていない。おまえもフリーだって言ってただろ?気を使う恋人がいないなら、俺らが離れる必要ないじゃん」


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