恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
寛は何にもわかっちゃいない。
一度でも寝た私たちが、元の平和な親友関係に戻れると、彼は思っているのだろうか?

それとも、セックスの有無にこだわっているのは私だけ?

あんなこと、寛には何でもないこと?


「私は無理」


私は内心の困惑を飲み込み、言い切る。


「私は、新しい恋人を探したい。だから、寛との関係を普通の同期に戻しておきたい」


「勝手なこと言うなぁ。おまえ、そんなキャラだっけ?」


寛が私を見透かしたような言い方をする。

私は寛を睨み付け、きつい口調で答えた。


「寛が私を飲みに誘うのは、寂しいからでしょ?安田の代わりにしないで」


「俺は一度だって、おまえを安田未衣奈の代わりになんかしたことない」


< 95 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop